♪、毎月の絵本「ちいさいパピーちゃん」全12冊 テーマ:元気が出る絵本 お話は、幼児にとって大切な「ゲンキ」、前向きな気持ちになる「やる気」、「よかったね」とhappyに感じる「幸福感」など、生きることへの励ましとなる、四季折々の物語です。 ♪、五十音おけいこ テーマ:言葉の発育を応援。
11月絵本「ちいさいパピーちゃんのかき」
YouTubeで! 3.43分
https://www.youtube.com/watch?v=HACstD62vgM
あらすじ:精一杯知恵を働かせて、たった1つの柿を取ろうとする幼児のユーモラスな行為から、移り行く自然の温かさ、きびしさを描くお話。
(解説)西本鶏介(児童文学作家)
せいいっぱいの知恵を働かせる幼児のユーモラ スな行為を通して、移りゆく秋の季節感までも感じさせてくれるお話です。
枝の上で、風にゆれているまっ赤な柿の実、たっ た1つ故に、いっそう心をかきたてます。「どう やって取ろうかな」、パピーちゃんはさっそく棒きれを持ってきます。でも、せっかくの思いつきも、柿の実に届かない棒きれではどうにもなりません。そこで踏み台から大きな積み木までも持ってきますが、やっぱり届きません。
こうなれば、いよいよ 柿の実がほしくなります。そんなパピーちゃんを見て、自分ならどうする、どうすればもっと高〈なれるか、子ども達の頭の中にさまざまなアイディアが浮かびます。
そこへうさぎのう-ちゃん、たぬきのた-ぼうがやってきて、やっぱりパピーちゃんと同じ気持ちになります。柿の実を取るというなんでもない行為でありながら、次第にお話の興味を盛り上げていくところが、なかなかに鮮やかです。
そして、最後に柿の実を落としてくれたのは風。どんなものの力もおよばない自然の強さ、ありがたさ、その象徴が枯れ葉で柿の実を落とすことになったのです。同時に激しく舞う枯れ葉に寂しい冬の訪れまでも教えてくれます。
やっと落ちた柿の実を3人で仲良く食べながら、「きたかぜさん ありがとう」の言葉に、自然への感謝の思いが、しみじみと伝わってきます。
投稿者:五十野惇 http://www5a.biglobe.ne.jp/~pappy/